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3月、北ヨーロッパは太陽光発電において地中海を上回りました。Solcast APIを用いた分析によると、異常な乾燥状態が英国とドイツで記録的な日射量と発電量をもたらしたことが明らかになりました。アゾレス高気圧の西方移動により、大西洋の気象システムは北ヨーロッパに到達できず、代わりに地中海盆地へ水分が流れ込みました。この結果、北ヨーロッパの一部では日射量が平年を最大30%上回り、一方、伝統的な南部のリゾート地では日射量が季節平均を最大30%下回りました。
イングランド、ベネルクス地域、デンマーク、フランス北部、ドイツ北部、ポーランド北部の日射量は、3月の長期平均を大きく上回りました。英国および北欧全域では、3月は前線活動が最小限に抑えられた、異例の乾燥した月となりました。この要因は、アゾレス高気圧の西方への移動でした。これにより、大陸北部では高気圧の閉塞がより持続的になり、大西洋低気圧の典型的な流れが制限されました。その結果、この地域は安定した晴天に恵まれ、日射量にとって非常に好ましい状況となりました。
北欧における日射量の増加は、いくつかの地域の送電網にも反映されました。特にドイツでは、3月の日射量が過去10年以上で2番目に高い値を記録しました。
英国では、3月に総太陽放射量が2014年以来の最高水準に達しました。英国のグリッドアグリゲーションは着実に増加しており、特に日照時間の多い月には、容量の増加が太陽光発電量の増加に重要な要因となっています。この傾向は2024年3月の急増と一致しており、気象条件と容量拡大の両方が太陽光発電を新たな高みへと押し上げていることを示しています。
一方、地中海地域では様相が異なりました。北部にとって有利だった大気のブロックが、大西洋の湿気を例年よりもはるかに南に逸らしました。これにより地中海盆地に雲と降水が流入し、例年よりも雨の多い月となりました。スペインの大部分、特に南部と中央高原の主要な太陽光発電拠点では、日射量が3月の平均値を30%下回りました。フランスの地中海沿岸、イタリアのリビエラ、コルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島でも、日射量が最大20%減少しました。同様の日射量不足はバルカン半島から東の黒海地域まで広がり、いずれも曇り空が続き、降雨が頻繁に発生しました。
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